流行に敏感な観客向けにサイバー映画を売り込むのなら、MP3やBPMといったフォーマットを意識してサントラを選ぶ必要がある。『Brazil』や『Hackers』といったハイテク犯罪映画を好むひねくれ者のコンピューターおたく達は、特にスリルを求める連中だが、『The Matrix』のサントラなら余裕で彼らの期待にこたえてしまうだろう。オープニングを飾るマリリン・マンソンのアンチ消費主義的過激ソング「Rock Is Dead」は、都市の荒廃を音楽で表現している。不気味なサイレンが全編にわたって登場する、プロペラーヘッズのドラムンベース・ナンバー「Spybreak!」、悲しげなピアノがハードで派手なビートと交錯するロブ・Dの「Clubbed to Death」、そしてミート・ビート・マニフェストの「Prime Audio Soup」は放送禁止用語を消す電子音だらけで、まるで地獄の内部に捕らわれたかのよう。暗いサウンドに聞こえるかもしれないが、テクノ、グラインドコア、ヘビーメタルのコンピ全体を包む摩擦は、このジャンルのファンを元気づけ、ハッカーの秘密コミュニティーのような連帯感を生むだろう。(Kristy Ojala, Amazon.com) from Amazon